ナッセナビTOP » 社長インタビュー
第7回目は、福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、ふくおか証券を傘下に持つ九州屈指の金融グループ、株式会社ふくおかフィナンシャルグループ柴戸社長に山本華世さんが迫ります。
それは全くありませんでした。最初は福岡の天神町支店で集金の仕事からスタートして、為替の窓口、大阪支店、本部の営業推進部門と異動してきましたが、「福岡銀行を背負って立つ」なんて思ったことはありませんでした。ただ、「自分でやりたいと思ったこと」は何としても実現したいと思っていました。でも自分で全部はできないでしょう?、会社を成長させたいと思ったら、一人ひとりの社員に能力を発揮してもらわなくちゃならないので、どん欲に、しつこく部下に成長を求めてきましたが、部下に対して怒るということは無かったです。今考えたら、きっと怒られない方が、つまり黙って任された方がきつかったかもしれませんね。「何やってんだ!」って注意されたらそれを修正すればいいだろうけど、「これ頼むね」だと100倍大変でしょう(笑)
責任を感じる方が強いですよ。ほっとして、「良かったなあ」と思うのは、たぶん役目を終えた時でしょうね。今はとにかく楽しいんです。自分が思った事をみんなと協議しながら作り上げていくのがすごく好きです。月並みに言えばやりがいもあるし、何かが悪ければすぐに数字に現れるので、まずかったなって分かる。トップとして嬉しいのは、みんなと仕事をしていて「うちの若い行員は、本当に夢があるなあ」って感じられることなんです。
銀行は店舗の窓口だけじゃない。ATMはコンビニにもある。それにパソコンやスマホ、タブレットでネットバンキングがどんどん進歩しているでしょう?これからはフィンテック(FINTECH=FINANCE+TECHNOLOGY)と言って、金融と情報通信技術が融合していく方向に向かっていくでしょうね。窓口にいらっしゃるお客様がどんどん減って、銀行のいろいろな事務の流れも変わっていく。窓口で受け付けて、それが次のセクションに流れていっていたのが全て、システム上で終わるとかね。でも、変わらないのは「人と人」の関係だと思うんです。銀行員は自分が関わった人、企業、その社長さんとの関係を大事にするんです。その企業が成長を遂げると、すごく嬉しいんですよ。銀行は一般的に、支店長は2、3年、行員も4、5年で異動するんですが、「転勤しても前の支店の取引先とのお付き合いは続けよう」って言っています。
物事って良い面と悪い面と、いろいろな見方があると思います。その時にどれだけポジティブに見られるか、が自分の成長のポイントになると思います。そのことをぜひお伝えしたいですね。「こういうことをしたい。だけどこういう問題があります」で終わるのか、「こういう問題がありますが、私はこうしたい」と言うのか。私は後者が好きです。それから「人と比較しない」という事。その人それぞれその人だから。あの人と比べてどうだとか言われたら、すごく嫌でしょ?仕事する上でも、プライベートでも大事です。「ここはこう変えて欲しい」って言われるのはたぶん受け入れられる。でも「あの人はああだからそれと同じようにしたら?」って言われるのはすごい嫌ですよね(笑)。今の若い方、特に女性なんですが、みんなすごいなって思いますよ。うちの行員もそうですし、娘の友達なんかをみていても、とてもエネルギッシュで。日本が本当に変わるんじゃないかと思います。
金融の世界というと、金利がどうのとか、セキュリティがどうのとか、すごく難しい話を想像してたんやけど、社長のお話は「人と人」とのつながりのお話が多くてちょっと意外やったね。福岡銀行は業暦が来年で140年。それは「人と人」の積重ねなんだと思ったら、ちょっと銀行に対してのイメージが変わったなぁ。(華世)
山本華世も
この一言、究極やね! でも確かにその通り。
福岡市中央区大手門1-8-3
https://www.fukuoka-fg.com/
設立/平成19年4月2日
事業概要/銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理及びこれに附帯する業務
グループ企業/福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、ふくおか証券株式会社、他