人とペットの幸せライフ ペットライフ通信

 連載 パピーウォーカー物語

初めてパピーウォーカーになった北九州市在住のHさんご家族の様子や暮らしを毎月お届けします。

Vol.12 思い出作り

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 お別れの日が刻一刻と近づいてきました。でも何も知らないリロは、今日も元気いっぱいに過ごしています。この1年Hさん一家の愛情をたっぷり受けて、すっかり体も心も成長したリロ。嬉しいような寂しいような複雑な気持ちです。最近では、リロとの思い出を一つでも多く作るために、いろいろな所に連れて行っているというHさん一家。近くの海や山、大きな公園など、リロが喜びそうな所を選んで、たくさん写真も撮りました。「この楽しい時間もあと少しだと思うと、つい甘やかしてしまいそうになりますね(笑)」と笑う顔もどこか少し寂しそうなHさん。始めの頃はちょっとしたことにも驚いていたけど、最近ではお祭りの大きな太鼓の音にも全然動じないというリロ。改めて一年という時の流れを感じます。「この一年を糧にして、立派な盲導犬になってくれたら…」Hさん一家の思いが痛いほど伝わって来ました。


Vol.11 最後の講習

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 早いもので、とうとう最後の講習会。前半は盲導犬の一日や訓練センター入学後の訓練の様子などを教わりました。その後、訓練を始めて一年になる候補犬が、障害物を避けて歩く訓練を実演。その颯爽とした姿に全員感嘆!改めて訓練士さんたちのすごさを実感しました。「盲導犬の訓練は厳しいと思われがちですが、○○しちゃダメ!と怒るのではなく、こうしたらもっと楽しいよと教えます。楽しく訓練できることが一番大切です。」という訓練士さんの言葉に納得。後半は、実際に障害物を避ける訓練を行いました。飛び越えたりくぐったりせずに避けることができれば褒めます。褒められ、成功経験を積み重ねることでどんどん上達していくそうです。その後は、洋服や靴を身につけて歩いたり、今までのおさらいをしたり。あっという間の講習会、これで最後かと思うと少し寂しい気持ちになりました。


Vol.10 大人へ

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 約1ヶ月ぶりにHさん宅へ。玄関を上がるとリロがいそいそとお出迎え…ん?今までみたいに飛びついてきません。しっぽを振って甘えてくるけど、なんだかちょっと落ち着いてる?「そうなんですよ、散歩のときも前ほど手がかからなくなりました。拾い食いもしないし、他の犬が吠えてもおとなしい。首輪も自分から進んで頭を入れてくれますし、私たちの気持ちが理解できるようになったみたいですね。」とHさんご家族が言うように、顔つきも少し大人びて凛々しくなってきた気がします。リロがH家にやってきてもうすぐ9ヶ月。6月に最後の研修があって、7月にはもうセンターに戻ってしまいます。リロが大人になるのは嬉しいけど、もう少しゆっくりでもいいのになと思ってしまう今日このごろです。


Vol.9 がんばれ!

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 桜も咲き始め晴天に恵まれた日曜日、リロの訓練のため九州盲導犬訓練センターを訪れました。日頃はおとなしくて吠えたり鳴いたりしないリロも、久しぶりに兄弟姉妹と会えた喜びでかなり興奮気味。訓練が始まっても落ち着かずそわそわしています(笑)。今日の訓練は、首輪を付ける練習や人が椅子に座ったときにひざの下で待つ練習、ドアの出入りの練習、人々の間を上手に歩く練習などなど。リロの兄弟姉妹も見た目はそっくりだけどよく見るとみんな個性があって、上手にできる子もおとなしい子もさまざまです。リロもみんなに負けないようがんばって、いつか立派な盲導犬になれたらいいな。約1時間の練習の後は、センターの周りをみんなでお散歩。今日教わったことをしっかり家で練習して、また来月みんなと会おうね。がんばれリロ!


Vol.10 大人へ

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 約1ヶ月ぶりにHさん宅へ。玄関を上がるとリロがいそいそとお出迎え…ん?今までみたいに飛びついてきません。しっぽを振って甘えてくるけど、なんだかちょっと落ち着いてる?「そうなんですよ、散歩のときも前ほど手がかからなくなりました。拾い食いもしないし、他の犬が吠えてもおとなしい。首輪も自分から進んで頭を入れてくれますし、私たちの気持ちが理解できるようになったみたいですね。」とHさんご家族が言うように、顔つきも少し大人びて凛々しくなってきた気がします。リロがH家にやってきてもうすぐ9ヶ月。6月に最後の研修があって、7月にはもうセンターに戻ってしまいます。リロが大人になるのは嬉しいけど、もう少しゆっくりでもいいのになと思ってしまう今日このごろです。


Vol.9 がんばれ!

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 桜も咲き始め晴天に恵まれた日曜日、リロの訓練のため九州盲導犬訓練センターを訪れました。日頃はおとなしくて吠えたり鳴いたりしないリロも、久しぶりに兄弟姉妹と会えた喜びでかなり興奮気味。訓練が始まっても落ち着かずそわそわしています(笑)。今日の訓練は、首輪を付ける練習や人が椅子に座ったときにひざの下で待つ練習、ドアの出入りの練習、人々の間を上手に歩く練習などなど。リロの兄弟姉妹も見た目はそっくりだけどよく見るとみんな個性があって、上手にできる子もおとなしい子もさまざまです。リロもみんなに負けないようがんばって、いつか立派な盲導犬になれたらいいな。約1時間の練習の後は、センターの周りをみんなでお散歩。今日教わったことをしっかり家で練習して、また来月みんなと会おうね。がんばれリロ!


Vol.8 家族旅行

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 先日、福岡県近郊の温泉地にリロを連れて一泊旅行をしてきたHさん一家。大型犬も宿泊できるその旅館は、犬用の食事や浴衣まで用意してくれるのだとか。残念ながらリロは訓練犬なので専用の食事しか採れないし、浴衣は体が大きすぎて着れなかったそうですが(笑)、ご覧のとおりすっかり寛いでいい気分のリロ。初めての足湯(犬用)を体験したり、川沿いをのんびり散歩したりと旅を満喫しました。旅行中、リロが身につけていたのは、「盲導犬 パピー 訓練中」と大きく書かれたパピーコート。これを着けていると、色々な人が興味を示して話しかけてくれるので、リロにとっても良い訓練になるそうです。すっかり大きくたくましくなったリロ、「一緒に過ごせる時間が少ないから、たくさん楽しい思い出を作っていきたい」と語るHさんでした。


Vol.7 成長

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毎月会う度に大きくなっているリロ。体重も20キロを超え、もうほとんど成犬と変わらないくらいになりました。Hさんが熱心にブラッシングしているおかげで毛並みもツヤツヤ。私もすっかり親バカに(笑)。さて、先月はまだ上手に『伏せ』が出来なかったリロですが、見てください!こんなに立派に伏せができるようになりました。前回、訓練士さんの指導を受けてからすぐに伏せを覚えたそうです。散歩に行く前のトイレもきちんとできるようになって、拾い食いもほとんどしなくなったとか。「リロと暮らす上で、今はもうなにも困ることはないですね。毎日散歩して遊んで、充実しています。」と語るHさんたち。楽しそうに『伏せ』をするリロ、また一歩、盲導犬へ近づいた姿を見て、私も胸が熱くなりました。また次に会うのがとても楽しみです。


Vol.6 家庭訪問

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 1月中旬、盲導犬協会の訓練士さんがH家に家庭訪問に来られました。2回目の家庭訪問だけど、リロはちょっと(いやかなり?)緊張している様子。さっそくお散歩の練習からスタートです。いつもと違う雰囲気に戸惑っているのか、ぐいぐいとリードを引っ張って歩くリロ。飼い主の速度に合わせて歩く練習、拾い食いをしたときの対処法などを訓練士さんから教えてもらい、約10分の散歩が終わるころにはすっかり上手に歩けるように。家に戻ると休む間もなく前回の講習会で教わった『伏せ』にチャレンジ。なかなか思うように伏せてくれないリロですが、そこはさすが訓練士さん、上手なリードで『伏せ』ができるようになりました。リロ自身が楽しんで訓練することが一番大切、との訓練士さんの言葉に「なるほど〜」と納得させられた私たちでした。


Vol.5 講習会(2回目)

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11月中旬、第2回目の講習会がありました。兄弟犬たちに会えてリロも嬉しそう。いつもよりテンション高めです。この日の内容は(1)体を触る練習 (2)犬に考えさせる (3)散歩です。(2)の中に『伏せ』を教える講習があったのですが、そのモデル犬になんとリロが選ばれました♪上手にできるといいな。犬がなかなか伏せない場合、人が床に座って片足を伸ばし、その下を犬に潜らせて伏せを覚えさせます。やってみるとこれがなかなか難しい!思い切り足を上げても、リロの体の方が大きくてなかなか潜ってくれません(泣)散歩もまだまだ難しく、つい色んなものに気が散ってしまいがちなリロ。それでも訓練士さんに教わりながら、またひとつお利口になったリロでした。


Vol.4 家族の協力

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 約1ヶ月ぶりに会うリロちゃん。想像していた以上に大きく、そして賢くなっていました。つい先日、狂犬病の予防接種を受けてきたそうで、その際に体重を計ってもらったらなんと13キロ!どうりで抱っこしたときに「うぅ…重い」と思いました(笑)。今は朝・昼・晩のお散歩も慣れたもの、かと思いきや、まだまだ子どもなので、うっかり芋虫やミミズなどを口にしてしまうことも。「やっぱり『預かっている』という意識があるから気を使うことが多いね。」と語るのはH夫妻のお母さん。と言いながらもリロちゃんを見る目は優しく「もう一度子育てしてる気分よ」とニコニコ顔です。フローリングはリロが滑りやすいから、とHさんが購入したロングマットが床一面に敷かれており、家族が一丸となってリロちゃんを育てている様子が伝わってきました。


Vol.3 お散歩

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 H夫妻宅に来たばかりの頃は、ひとりぽっちになると寂しくて鳴いていたリロちゃんも、この1ヶ月でこんなに大きく元気に!そして、この日は総合訓練センターにて第1回目の飼育講習会。リードをつけてお散歩の練習です。ただのお散歩のように見えますが、これがどうしてなかなか難しい…。あっちに行ったりこっちに行ったり、思うように歩いてくれません。パピーのお散歩のポイントは、『人が犬に注目する』のではなく『犬が人に注目する』こと。楽しく安全にお散歩ができるように二人三脚で取り組みました。その他にもトイレトレーニングや人と出会った時のマナーを学んでいきます。盲導犬への第一歩を踏み出したリロちゃんとH夫妻。これからの成長がますます楽しみです。


Vol.2 ご対面!

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 いよいよ今日は委託式。繁殖ボランティアからパピーウォーカーへ、子犬が受け渡される日です。どんなコが来るのか、朝からドキドキワクワクのH夫妻。感動のご対面です。この日、ようやくH夫妻のもとへやって来たのは黒のラブラドールレトリバー、リロちゃん(♀)。兄弟姉妹の中で一番小さいけれど一番元気いっぱい、食事や排泄の練習中も好奇心いっぱいに動き回ります。

 無事に委託式を終えて車に乗り込み、今日から我が家となるH夫妻の家へと向かいました。新しい環境に慣れてくれるかなあというH夫妻の心配もよそに、リロちゃんは楽しげに家じゅうを探索。ご飯もペロリと平らげ、おもちゃで遊び始めました。まずはほっと一安心。リロちゃんとH夫妻の新しい生活のスタートです。


Vol.1 きっかけ

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Hさんご夫妻がパピーウォーカーになろうと思ったきっかけは、お子様がいない暮らしを送る中で、何か足りないものがあるなと感じていたこと。普通にペットを飼うのもいいけど、何かを育てることで社会的に貢献したいなと思っているときにパピーウォーカーのことを知り、「これだ!」と思ったそうです。ご家族の同意を得て申し込み、説明会や講習を受け、あとは子犬が来るのを待つだけとなりました。「暮らしが一変するだろうけど、それが楽しみです♪」と笑顔のHご夫妻。次回はついに子犬と感動のご対面!受け渡しの様子をお届けします。


盲導犬育成の輪に参加してみませんか?
ボランティアとして愛情をたっぷり注いでください。

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 みなさんは「盲導犬」についてどれくらいのことを知っていますか?ふだんあまり目にする機会のない盲導犬について、九州盲導犬協会総合訓練センターの方々にお話をお伺いしました。「良質な盲導犬の育成には多くの費用と2年あまりの年月が必要です。それでも盲導犬になれるのは10頭のうち3~4頭。しかも、その育成費用のほとんどが寄付金や募金で成り立っています。私たちの活動は皆様からの善意に支えられているんですね。」と語る藤田さん。また、盲導犬候補の子犬やその繁殖犬を預かってくださるボランティアも不足しているのが現状だそうです。「特に生後2ヶ月〜1歳までの子犬を育てるパピーウォーカーが不足しています。犬を飼いたいけれど、自分の年齢や転勤などの理由で、一生飼育するのは難しい方、お子様に動物とのふれあいの大切さを教えたい方などはぜひご検討していただきたいですね。一年という限られた時間の中で、精一杯愛情を注いでくれる方を募集します。ただし、単に犬を育てるのではなく、その先には社会福祉という大切な役割があることをご理解ください。」まだまだ盲導犬は不足しています。興味のある方はぜひご協力をお願いいたします。

公益財団法人 九州盲導犬協会
■総合訓練センター
住/糸島市東702番地1
TEL/ 092-324-3169(平日9:00~17:00)

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