絶賛公開中 「真夏の方程式」舞台挨拶レポート

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記者会見&舞台挨拶レポート

今年4月からフジテレビ“月9”枠で新シリーズが放送され、高視聴率をマークし続けた「ガリレオ」。変人でありながら天才的な頭脳を持つ物理学者・湯川学を演じるのは、前作に引き続き福山雅治さん。そしてテレビ新シリーズから登場となった捜査一課刑事・岸谷美砂は吉高由里子さんが演じる。そしてテレビシリーズに引き続き映画化第2弾の『真夏の方程式』がついに公開となった。 今回7月3日には、『真夏の方程式』に出演した福山雅治さんと吉高由里子さん、そして監督の西谷弘さんが「ヒット御礼」の福岡キャンペーンに来られました。

記者会見

―今回の撮影でふるさと・長崎へ思いをはせる部分などはありましたか?

福山 今回の作品では、海というところが共通点だと思います。よく、「泳げるんですか」というようなことを聞かれたりするんですね。今回、ダイバースーツを着てウエイトを付けて実際に素潜りしたんですが、海の中に潜ったりすると「海育ちだったな、そういえば」って長崎での幼い頃の海遊びをしていたころを思い出しましたね。

―原作の東野圭吾さんが「ガリレオシリーズは8作品出ているけど、湯川って今まで一度も内面描写しておらず、湯川視点では一度も書いてない」とおっしゃっています。湯川とはどんな人物なのかを東野圭吾さんは「自分の中では福山=湯川である」とおっしゃっていたそうですが、福山さんが今回の撮影を通して湯川の人物像について改めて考えたことはありますか?

福山 前作から5年の月日が演じる側の自分にも影響を与えている部分だと思います。もともと、変人・天才物理学者という設定があって、それに変わりはないですね。変人だったら、一つのことに非常に夢中になりすぎる。それって、よく言われる“おたく”っていう部分だと思うんです。それが5年たって、オタク度が増したところがあるのかな。それが役柄的にもにじみ出ていたらいいなって思って撮影に臨みました。

―撮影地の美しさがスクリーンを観て、伝わってきましたが、ロケ地の素晴らしさやロケ地でのエピソードがあれば、教えてください。

福山 日本でも有数のダイビングスポットで今回撮影をしました。事前に人気のダイビングスポットということは聞いていたんですが、実際に潜るまであんなに魚いて、あんなに透明度が高いとは思わなったので、驚きました。青やオレンジ、色鮮やかな魚がいたり、大きなうつぼがいたりしてすごかったですね。

吉高 私は玻璃ケ浦での撮影はラストシーンだけで、海にも潜らずでした…。

福山 ロケ地のことでいうと“色”ですね。監督と事前にどんなイメージですかね?っていう話をしました。撮影に入る前に企画書、台本を読んで時に特徴的な青色になればいいなって思っていました。イメージとしてはカメラマンの方が持って来てくれた写真集のトーンが共通認識として進めました。

―今回湯川がじん麻疹できるほど嫌いな子どもと接するという、これまでの作品と違った湯川の一面を観ることができますが、監督は福山さんに子どもとの接し方についてはどのように話されたんですか?

監督 芝居的には、福山さんの方が子どもに対しての役作りを含めて、現場で距離感を置いてくれました。それは私が指示したわけなく、福山さん自身が行なってくれたことで、それにより恭平君が懐きたいけど、懐けない。どこか近寄りがたい、でも興味があるっていうところが、実際の生活とリンクして表現できたと思っております。

―では、福山さんは湯川を演じる上での子どもとの距離感。そして本番以外での子役・山﨑光君とのやり取りはいかがでしたか?

福山 撮影中、恭平君とは映画セリフ以外の会話を一切していません。それは僕自身の役作りもあったんですけど、光君(恭平君)との空気感が甘い雰囲気になってはいけないなって思っていました。その全くお互いに口を聞かないという空気感が、作品として、ある一定のトーンと緊張感を保つために役立てればという思いで距離感を取っていたんです。だから彼にとっては本当に戸惑いもあったでしょうし、寂しい、辛い、なんでこんな思いしなければいけないんだという思いがあったかもしれないですね。テレビではニコニコしているのに、現場では冷たい人間だと…と思われないためにも、クランクアップしたその時に、ちゃんとワンピースの高級プラモデルを買って、頭を激しく撫でてあげたんですよ(笑)。

―吉高さんに質問ですが、通常私たちが目にしているのはドラマ→映画の順番ですが、実際撮影は映画→ドラマの順番ということで、映画で最初から慣れている感じを出していくというのは大変だったと思います。今回、ガリレオシリーズに携わることになった時のお気持ちを教えてください。

吉高 もちろん、プレッシャーでした。自分も観ていた側だったので、自分なんかが入り込んでもいいのかという思いでした。でも、映画とドラマをやってみて、全然違いましたね。やっている時も映画をやっている感覚とドラマをやっている感覚と、そして監督や現場のスタッフさんなどが違ったので。でも最初に映画に携われてよかったです。

  

舞台挨拶

ヒット御礼の舞台挨拶付き試写会が行われました。登壇したのは、福山さん、吉高さん、そして監督。登場の声がかかるともに、悲鳴のような歓声が会場を覆い、キャストへの思い、映画への期待を感じます。 そして、「こんにちは、九州へ帰ってまいりました、福山です」という福山さんの挨拶に「こんにちは、九州におじゃましに来ました、吉高です」と吉高さんも便乗した挨拶から始まった舞台挨拶を紹介します。

―5年ぶりの湯川先生となるわけですが、演じられてみていかがでした。

福山 5年経ったとはいえ、ガリレオをやりたいという思いがありましたので、楽しく湯川学を演じることができました。撮影中は基本的に、湯川学は僕の中にいて、切らさないようにずっとしていますね。というのも、セリフ量が多いので、一回抜けてしまうとセリフも入って来にくいし、セリフのテンポとかトーンとかも変わってしますので、なるべくキープしながらって感じですね。

―吉高さんは今回かなりプレッシャーを感じていたと伺いましたが、実際現場に入られてみていかがでしたか?

吉高 プレッシャーの分だけ、充実した時間を過ごさせていただきました。初めての刑事役だったわけですが、それがこのガリレオという現場っていうのは贅沢な経験になったなと。もちろんプレッシャーの部分はありますが、ガリレオに関わることが出来てよかったです。

―今回の撮影で、監督は福山さんについては新たな発見。吉高さんについては驚かされた点などはありますか?

監督 福山さんとは5年前のガリレオシリーズそして『容疑者Xの献身』で、その時はまだ活字の中だけの湯川学をどのように立体的に作ろうかということで、2人で湯川学の歩幅の長さだとかを毎日考えながら作っていきました。で、今回はスーツを着て、髪型をちょっといじったらスムーズに湯川学に入り込めた感じだったと思います。逆に、この5年間の福山さん自身の経験とイメージする湯川学を掛け合わせてもらえればいいということで、改めて演出ということではないですね。吉高さんに関しては、時系列としてはTVドラマの後の話だけど、映画の方から撮ったので、その逆算という中で、湯川先生と出会って数カ月後の彼女がこの映画では描かれています。初刑事役でただでさえ難しい内容なのに、その高いハードルをクリアしてもらったって感じですかね。

―実際、時系列が逆になる撮影というのは演じる上で大変なことはありますか?

福山 僕は全然大丈夫ですが、吉高さんは本当に大変だっと思いますよ。特にその役作りを固めてくるというタイプではなく、監督の指示にいかに応えられるかという思いで現場に臨まれるタイプの女優さんなので、“素材”のままにやってきたと思います。

この“素材”のままというコメントには会場がざわつき、「何ですか?」と福山さんから尋ねる場面も。「どんな感じなのかと…」と司会者より問われると、

福山 分からないでしょうね(笑)。説明しますですね(笑)と、本当にこの素の状態というか、吉高由里子にセリフというものが入った状態ですね。あと、どうにでも料理して貰っていいですという状態です。そうだな~、魚で言うと釣ってまだ生きている状態で海に戻せば泳いでいくしと言った感じですね。

吉高 産地直送型。

福山 よく言えばね(笑)。だから、どうとでも染まるっていうか…。

―実際、緊張感漂う現場で福山さんから心支えられる一言とかはありましたか?

吉高 ありがたいお言葉をいただきまして、置きに行く芝居をするなと。どんどん、擦り切るまで。擦り切れる直前までぶつかっていって、一緒に戦ってくれました?

ちょっとシドロモドロになった吉高さんのコメントに会場も笑いが。それを見かねた福山さんが

福山 わかりにくいですよね。わかりました、説明しましょう。セリフを噛みやすいわけですよ、難しい専門用語が多いですので。難しい言葉が多い中での緊張感で噛んでしまうんですけど、噛まないようにやってしまう芝居はやらない方がいいよっと、噛まないための芝居ではなくて、噛んでもいいから全力で演じきる方がもっといい芝居になるからということですよね?

と、福山さんのフォローに「先生、どうもありがとうございました。」と吉高さん。自然体な吉高さんにコメントに会場は大盛り上がり。

―前作より5年間。福山さんからみて湯川先生を演じるのにどういった年月だったと思いますか?

福山 湯川先生の5年間というのを考えると続編はできないと思っていたんですよ。前作をご覧になった方は分かると思いますが、前作は堤さん演じる石神という心の友が、愛ゆえに罪を犯してしまった。湯川としてもあんな思いはもうしたくない。あんなことになってしまうんだったら、捜査はしたくないと思うと思うので、前作に繋がっている続編と考えるのではなく、別次元の中で始まった考えで臨みました。

作品の思い、エピソードなどを語ってくれた3人。現在『真夏の方程式』は絶賛公開中です。

  

 

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