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シャボン玉石けん株式会社 森田隼人社長
人にも自然にもやさしい、先見の明が生んだ無添加石けん。

第10回目は無添加石けんでお馴染み「シャボン玉石けん」の森田社長。健康を守るこの石けんには、作り手の情熱がぎゅうっと込められていた。その真相に山本華世さんが迫ります。

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シャボン玉石けん株式会社 代表取締役社長 森田隼人
北九州市出身。1976年生まれの40歳。専修大学経営学部卒業。大学卒業後、シャボン玉石けん㈱に入社。01年取締役・02年取締役副社長を経て、07年より現職。自他共に認める酒好きで、1年間かけて全社員と“ノミュニケーション”をするユニークな企画も行う。

無添加石けんを作り始めたきっかけは?

創業から106年、祖父が雑貨商を始め、それを父が継ぎ、30歳で私が社長に就任しました。無添加石けんの製造を開始してからは42年になります。昔は合成洗剤も作っていたのですが、その当時父の肌荒れが酷かったようで。ただ、自社製品なので何の疑問も持たなかったのですが、国鉄から「無添加の洗剤を作ってほしい」という依頼がありそれを試しに使ってみたところ、10年来悩んでいた湿疹があっという間に良くなったんです。そんな父自身の経験から「身体に悪いと分かったものを売るわけにはいかない」と、完全に無添加石けん一本の製造をするようになりました。今も昔ながらの製法で、職人が石けんの出来具合と安全性を「舐めて」確認しています。


体や自然に良いものを、という考えはある意味早かったのでは?

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今のように安心安全とか環境問題と言われない時代だったので、売り上げも合成洗剤を売っていたときの1%以下まで下落。約100名いた従業員もどんどん辞めていって、一番少ない時で5名にまでなりました。そこから17年間ずっと赤字だったのですが「絶対この良さは伝わるから」と、作り続けました。でもさすがにどうしようもなくなり、最後の賭けで〝石けんと合成洗剤の違い〟を詳しく書いた『自然流石けん読本』という本を父が出版しました。それが異例のベストセラーになり、翌年から黒字に転じて今、ということになります。当時の私はまだ学生で。父がワープロで原稿を執筆していた裏紙を、自宅で勉強する時によく使っていて、合間に表の文章を読んで「うちってこういう石けんを作っているんだ!」ということを知りました。


森田社長は、かなりの若さで役職に就かれたとか。

父はもう70歳手前だったので、一緒に働けるうちに働いていた方が良いだろうと、大学を卒業してそのまま入社しました。まず工場で現場に出て、次に経理をし、その後は営業職、そして25歳で副社長。父は「役職が人を育てる」と考えがあったようで、地域の経営者の集まりに行けば、70歳の中にぽつんと若造が一人いるという奇妙な感じでしたね(笑)。でも、あえて外で修行をしなかったことで、父が持つ先進的な感覚を学べて、今会社が上手く回っているのかなとも思います。


今の商品ラインナップは?

商品の種類で言うと、約50種類くらいです。もとは粉石けんと固形石けんの製造・販売を行っていたのですが、2005年にはお客様のリクエストもあって、利便性の高い液体石けんも出しました。いまでは、ハミガキや洗たく槽クリーナー、酸素系漂白剤などもラインナップに加え、生活の様々なシーンに対応できるようにしています。どの商品も、企業理念「健康な体ときれいな水を守る」をモットーに作っていますし、安心・安全な商品を間違いなくお届けし続けることが使命で、これからもその本質は絶対に変えたくないと思っています。 また、北九州市消防局からの依頼で「消火剤」も作っています。石けんが入った水だと、少量でしかも早く広い範囲を消火することができるんです。〝環境を汚さないやさしい消火剤〟をテーマに、7年かけて開発しました。今は、JICAと一緒に、インドネシアに向けて「林野火災に対応できる消火剤」の普及にも取り組んでいます。まだまだ出て行くお金ばっかりの部分もあるんですけど(笑)、こういうことこそうちがやるべきことだなと思って、現在進行形で取り組んでいます。


読者へメッセージをお願いします。

今でこそ食品は「裏の表示を見て買う」という方が増えたと思うのですが、石けん・ボディソープ・洗たく洗剤も「どんな成分が入ってるのかな」って気にするようにしてみて欲しいですね。無添加とうたっている商品でも着色料が入っていないだけで「無添加」と法的に書けてしまうんです。やっぱり自分たちの体に触れる物だからこそ、まずは意識することから始めてみて欲しいと思います。特に、女性は自分の肌ももちろんですが、妊娠出産・家族の健康というのもあるでしょうから。 ぜひ、工場見学にもいらしてください!


40代に入って「肌きれいね」と褒められることが増えた。そんな時の返事は「肌が健康なんよ。シャボン玉石けんのお陰で」って言うようにしている。そう、私もシャボン玉石けんのヘビーユーザー。石けんを舐められる位、安全性に自信を持っているのは消費者として嬉しいこと。ぜひ世界に向けて発信していって欲しい!(華世)

山本華世が

感銘を受けた森田社長の一言

  • 好き・信じる・楽しむと書いて『好信楽』何事もまず好きでなくてはならないし、それを信じ楽しむことが大成の秘訣。本居宣長のことばで、先代の座右の銘が社是と同じくらい大切なものに。困難に直面した時は、いつもこのことばを思い出すようにしている。

心の持ちようが大切ってことやね!せっかくやるなら楽しまんとね。

シャボン玉石けん株式会社

本社/北九州市若松区南二島2-23-1
http://www.shabon.com

創業/1910年(明治43年)
設立/1949年(昭和24年)
事業概要/無添加石けんの製造及び販売

インタビュアー 山本華世
福岡県出身。華世姐(かよねぇ)として親しまれ、言わずと知れた九州を代表するタレント。近年はネットTV「地球のどこでもカヨチャンネル」を運営、各分野で活躍する人達と対談する。対談のプロフェッショナルで、企業人、著名人の人数は2,000人超。座右の銘は「人こそ宝」。

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