今月のワクドキ InterviewVol.14

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西島 秀俊

西島 秀俊

西島 秀俊(にしじま ひでとし)
1971年生まれ、東京都出身。
94年「居酒屋ゆうれい」で映画初出演。黒沢清監督作の「ニンゲン合格」(99)、第59回ヴェネチア国際映画祭に出品された北野武監督作「Dolls(ドールズ)」(02)などに主演、その後も映画・ドラマ・CMと数多くの作品に参加。近年の映画出演は「ストロベリーナイト」(13)、「劇場版 MOZU」(15)、「女が眠る時」(16)など。また4月より放送のNHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』にも出演。

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未解決の一家失踪事件と奇妙な隣人家族。犯罪心理学者が迷い込む2つの“謎”。第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作「クリーピー」が映画化。今回、主人公の犯罪心理学者・高倉を演じた西島秀俊さんに、映画の魅力を伺った。

―脚本を読んだ最初の印象から教えてください。

すごく面白い脚本でした。しかも、香川照之さんが西野役をやられると聞いていたので、これは相当すごい作品になるんじゃないかなという予感はありました。この映画の香川さんの演技が、今後、日本でヤバい人を演じる際の教科書になるんじゃないかとも思いましたし。でも完成した作品を見て、いや、これは香川さん以外の誰にもできないわ!って考えを改めましたけど(笑)。

―西島さんが演じられた高倉は元刑事で、いまは犯罪心理学者ですけど、この高倉という男はどんな人物でしょう?

高倉は非常に優秀で、犯罪心理学に深い造詣があるんですが、彼の中にはある種のおごりや、人の心の闇を脅えることなく、むしろ興奮して楽しんで見ることができる罪深いところがあります。そんな人間としての欠陥があるが故に、忌まわしい事件に巻き込まれていくんです。つまり、この映画で高倉の身に起こることは、全部必然。彼が自ら呼び込んだものです。高倉の持つ欠陥=隙を西野がまさについてくるわけですから。

―久しぶりに黒沢清監督の現場はいかがでしたか?

これが楽しいんですよね。こんなにすごい映画ですけど、実際の現場は本当に穏やかで整然としていて、楽しいんですよ。黒沢監督はどこか催眠術師みたいなところかあるので、黒沢監督の演出でふっと導かれて、気づいたらすごく高いところに立っている感じなんです。自分がすごく苦しい想いをしてそこまで行ったという意識もないので、それは本当に不思議な感覚でした。

―康子を演じられた竹内結子さんとは他の作品でも共演されていますが、今回、夫婦役で共演されていかがでした?

竹内さんとは『ストロベリーナイト』という作品で3年ぐらいご一緒していて、それが上司と部下だけれど、恋愛感情もちょっとあるような役でした。今回の作品はそれと繋がっているわけではないですけど、ちょっとその流れが自分の中で勝手にあって。その先の結婚、さらにその先の倦怠期というイメージができたというか、そういうベースがあったので、いきなり倦怠期の夫婦を演じるよりも、やりやすかったですね。康子はすごく難しい役で、あの役は竹内さんにしかできなかったと思います。高倉と康子のふたりのシーンも、本当に頼り切っていましたね(笑)。

―西野を演じる香川さんとのお芝居も楽しみだったんじゃないですか?

はい。香川さんはやっぱりスゴくて。脚本で読んだときよりも、西野は遥かにユーモアがあって、すごくチャーミングでした。明るくて、本当に天真爛漫に生きている感じがする。だから、出来上がりを見ると、西野の言っていることの方がむしろ正論に見える瞬間があるんですね。ベルリン国際映画祭では、実際、西野が何かをやる度に観客が笑ったり、盛り上がったりしていたから、香川さんはやっぱりスゴいなというか、世界に通じる演技をされる方だなと思いました。

―西島さんは、完成された作品をご覧になってどう思われましたか?

黒沢さんの作品はどれも素晴らしくて、傑作ばかりだと思いますけど、個人的にはこの作品が黒沢さんのフィルモグラフィーの中でも特に好きなトップクラスの1本になりました。こんなすごい作品に参加させていただけて、とにかく嬉しいし、光栄です。

information

映画『クリーピー 偽りの隣人』

●公開中

写真
©2016「クリーピー」製作委員会

犯罪心理学者の高倉は、刑事・野上から6年前に起きた一家失踪事件の分析を頼まれるが、核心にはたどりつけずにいた。愛する妻・康子と共に最近引っ越していた高倉は、どこか奇妙な隣人家族に翻弄される。そしてある日、隣人の中学生の娘・澪が告げた言葉に、驚愕する。「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」未解決の一家失踪事件と、隣人一家の不可解な関係。2つの繋がりに高倉が気付いた時、康子の身に【深い闇】が迫っていた…。

監督/黒沢清
出演/西島秀俊、竹内結子、香川照之 他
配給/松竹、アスミック・エース

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