今月のワクドキ InterviewVol.2

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長谷川 博己

長谷川 博己

長谷川博己(はせがわ ひろき)
数多くの舞台作品に出演する傍ら、「セカンドバージン」(10)、「鈴木先生」(11)、「家政婦のミタ」(11)と話題のドラマに次々と出演し注目を浴びる。12年エランドール賞新人賞、第35回アカデミー賞新人俳優賞、橋田賞新人賞などを受賞。以来、実力派俳優として映画、ドラマ、CMと幅広く活躍。本年の映画期待作に、『この国の空』(荒井晴彦監督)、『進撃の巨人』前後編2部作(樋口真嗣監督)がある。

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ロックスターということで
ギターも歌も、ずっと練習しました。
もっと時間が合ったら、
もっと上手くなれたのに…(笑)。

独特な世界観で次々と話題作を世に送り出す園子温監督の待望の完全オリジナル最新作『ラブ&ピース』。脚本は25年前に映画監督を夢見る無名の若者だった園監督が書き下ろしたもの。そして主人公のモデルは監督自らという、園監督の原点というべき作品だ。今回、サラリーマン・鈴木良一からロックミュージシャン・ワイルド良へと転身する主人公を演じた長谷川博己さんに『ラブ&ピース』の見どころと撮影中のエピソードについてお話を伺いました。

―撮影を終えて、振り返っていかがでしたか?

こんな大変な役はできることならもうやりたくないですね(笑)。でも、今そういう気持ちになるってことはいいことだと思うんです。余力が残っているような状況で終わるようではあまりよくないと思うので。今回、途中で「もう、やだ」って思いましたけど、終わってみると「もういいな」という気持ちはありつつ、「ちょっとさみしい」という気持ちもありつつ、という感じですね。

―撮影中、つらかったところはありましたか?

そうですね、やっぱり前半かなりタイトスケジュールだったので…。それに良一もすごい変化があり、行ったり来たり戻ったりという、その辺がかなり大変でしたね。あと歌を毎日歌ったこととか。ステージでライブをやったかと思ったら、次の日は路上ライブをやったり。音楽プロデューサーの菊地さんも「普通のミュージシャンでもこんなに連日声張り上げて歌わないですよ」って言ってました(笑)。

―毎日だったんですね。声は大丈夫でしたか?

やっぱり枯れましたね。僕はあんまり喉が枯れることないんですけど、今回に関しては結構枯れました。しかも芝居のところも叫んだりするシーンが多かったので。やっぱり園組はなかなか一筋縄ではいかないですね。

―園監督からオファーを頂いたときはどんなお気持ちでしたか?

ミュージシャン役なので、僕ではないほうがいいのではないかなと思ったし、ギターも弾かなければいけないので、これは無理だなと思いましたね。正直、なんで僕を選んでくれたのか未だに分からないんですが、こういうチャンスを頂けたので「やらないほうがよかったのでは」と言われるかもしれないですけど、「できない役は来ない」というじゃないですか(笑)。だからやるしかないなと。それに、こういう役が来るというのは嬉しいことですよ。普通に考えたら皆さんイメージしないと思うので。「あの人歌えるの?ギター弾けるの?」って思いますよね。

―今回演じた鈴木良一とロックスター・ワイルド良。それぞれのキャラクターに落差がありますが、芝居の難しさを感じたりはしましたか?

やるからには思いっきり変わらないと面白くない、そこがこの役の一番面白いところかなと思いました。難しいというよりは、そこが一番自分の中で楽しい部分というか、音楽の部分では足りないところもたくさんあると思うので、そこでしか勝負できないと思いまして、やっぱりそこはかなり変わりたいと思いましたね。

―ロックスターを演じるということで、歌うシーンも多かったですが、長谷川さん自身、これまでに音楽の経験は?

いや、なかったんですよ。割と音痴と言われるので…でも、音痴でも役で演じればいいので僕は音程がズレていようとそんなに気にしてないんですけど(笑)。でも、ミュージシャンでスターになっていく話ですから相当頑張らないと、と思いました。しかも、一番大変なのは歌よりもギター。弾き語りってすごく難しいんですよね。曲ができるのも一か月前でしたから、何を練習したらいいかも分からなくて。とりあえずギターを買って、曲ができてから毎日何時間も何時間も暇なときはずーっと弾いて、その曲だけ覚えるという感じでしたね。ギターが弾けるようになっても今度は歌を一緒に歌うとなると難しいわけですよ。それも少ない時間で他の仕事の合間を縫って、移動の車の中でとか、ずっと練習しましたね。でもまだまだ足りなくて、もっと上手くなったかもしれないと思います。言い訳かもしれないですけど。

―園監督の作品は今回で2回目になりますが、監督の演出をどのように感じていますか?

そうですね、監督ってやっぱりすごく芝居を観て下さっているので、役者が気持ちいいようにやらせてくれるんですよ。役者が厳しいなって思っている時とか、それを感じとって別の提案をしてくれたり、あと現場の動かし方、エキストラさんの動かし方とか、何から何まで自分でやれちゃう方です。本当にアーティストですよね、映画監督っていうだけの人じゃない、詩人でもあるし。本人もパフォーマーでもあるんですけれども、園監督が醸し出す雰囲気からは芸術家のオーラが出ている気がします。何を言ってもすごく惹かれるし、面白いですよね。

―今回ロックスターということで、激しい衣装もありましたが、長谷川さんから何か意見されたりしたんですか?

どういうのがいいかも分からなかったんですが、最後にワイルド良をどういう風にするかっていうところから逆算して最初の方の衣装を決めようという話になって。最後の衣装はなかなかかっこいいですよね。いろんなアーティストを参考にして、でもなんとなくデヴィッド・ボウイが好きだったんでデヴィッド・ボウイの雰囲気とか、スタイリストさんはレディー・ガガの衣装を参考にしたり、いろんなアーティストをごちゃまぜにした感じです。でももっと、あからさまに元ネタが分かる感じでも面白かったかもしれませんね。

―では、最後に長谷川さんにとってラブ&ピースとは?

ラブ&ピースとは、難しいですね。まだよく分からないけど、皆さんが観たときに分かるかもしれません。ラブ&ピースは僕らがずっと求めているもので、求め続けたいものですね。今まであんまりラブ&ピースとか言ったことなかったけど、今回この映画と出会って、台本読んだ時も感じましたけど、ラブ&ピースってすごくいいですね。確か、ジョン・レノンが言ったんでしたっけ?素直に訴えかける素敵な言葉だと思います。映画自体はファンタジーの要素もあるので子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで楽しめる作品だと思うのですが、そこでただ楽しむだけじゃなくて、みんな気づかされることが絶対あると思うんです。それは今の世の中であればみんなうすうす感じていることだと思います。そういう意味では、園監督の言葉でいうなら見た人を覚醒させられる作品だと思います。

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